太字・斜体

 先に説明してしまうと、字を一般的なゴシック体の太字にするには\textgt{}、明朝体のまま太字にするには\textbf{}、斜体にするには\textit{}コマンドを使います。ただしtextbfは適切な設定(フォントの項で説明)がされていないとtextgtと同じになりますし、textitが効力を持つのはアルファベットだけです。

 アルファベットの書体を変える命令は他にもあり、以下の通りです。

\textrm{Roman デフォルト}
\textgt{Gothic 和文ゴシック体}
\textbf{Boldface 太字}
\textit{Italic 斜体}
\textsl{Slanted ローマンを傾けただけ}
\textsf{Sans Serif サンセリフ体}
\texttt{Typewriter タイプライタ体、等幅}
\textsc{Small Caps 小文字が大文字に}
太字になった見出し

 日本語はゴシックの太字が基本だと覚えておいてください。その上で、実は上記のようなコマンドの運用には注意が必要です。
 というのも、TeX(とか他の構造化テキスト)においては“ただ太く”“ただ斜めに”する命令は推奨されていないんですね。太字とか斜体にしたい時は強調とか何か意味を伝えたい時で、それならその「意味」でマークアップするべきだ、という考え方です。
 “見出しだから”太くしているならそれは「太字」ではなく「見出し」であるべきで、見出しコマンドでは太さが足りないならスタイルを付け直してやればいいんです。

 その意味では、文中で太字にして強調したいところには\emph{}コマンドを使う方が正しいと言えます。ゴシック体の太字にしてくれます。

 しかし筆者はしばらく迷いました。ノンシャラン道中記ではこんな風に、場面が変わるところの最初の文は数字が入って太字になっているからです。

太字になった見出し

 これを見出しととらえるか、つまり各編タイトルの下位タイトルとして構造化し特別な役割を割り振るか、強調ととらえるか、それともただデザイン的に太字にしているだけととらえるかは正直判断に困ります。
 見出しのような気もするし、そうでない気もする……ぶっちゃけこのレベルまで見出しにしちゃうと構造が細かくなりすぎて、PDFビューアで目次を見た時にごちゃごちゃになるんですよね。青空文庫のマークアップでも、ここは特に何も指定されていません。

 というわけでここではシーン頭の太字は見出しでも強調でもない“ただの”太字とみなします。冒頭の\textgt{}コマンドはこんな時に使うのが適切かと思います。

 あるいは自分で意味的に適切なマクロを作っちゃうのもいいですね。引用符(OTF)のところでやったような単純な置き換え定義が使えます。

\newcommand{\komidashi}{\textgt}

のようにしておいて、シーン頭を全部\komidashi{}で囲めば、後でスタイルを追加・変更したくなった時もプリアンブルに入れた上の一行の定義を書き換えるだけで済みます。

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