和文・欧文間のスペース

 約物ではありませんが、グルーの話が出たのでここでやってしまいます。和文と欧文の間のアキについてです。

 青空文庫では、かなや漢字の和文と英単語などの欧文の間は半角スペースを入れることになっています。なので今筆者の手元にあるテキストではこうなっています(便宜的にスペースのみ強調)。

君はいま、あたしの車を␣touf-touf␣だといったね。ぼろだって芥箱だって大きなお世話だよ。君の自動車を持って来てごらんなさい。どっちが␣touf-touf␣だかくらべて見てあげるから。
半角スペース入りの組版結果

 組版結果でも綺麗に空いていますね。普段からこういう書き方をしていて、この出力で気にならない人は特にここですることはありません。

 ところがTeXはここでも組版ソフトたる本領を発揮して、スペースが入っていない和文・欧文の間も自動的に開けてくれます。筆者はこっちの書き方をしているのでありがたいです。
 印刷業界では伝統的にこの空間を四分アキ、つまり全角の4分の1の長さと定めていて、TeXでもそれが踏襲されています。(具体的には\xkanjiskipという値で定義されているらしい)

両者の比較

右がスペースあり、左がなし

 両者を比べてみると、空き方とそれに伴う以降の字の位置に微妙に差があるのがわかります。前者の場合、何もしないでも入る四分アキのグルーと半角スペース分の空白が合わさることになる(ただし単純な足し算ではない。TeX側で自動調整されている)からです。
 かなり微妙な差で正直筆者はどっちでもいいんじゃないのかと思うくらいなんですが、気になる人もいるでしょう。その場合は希望の空き具合になる記法を選んでください。
 ここでも大事なのは、ひとつの作品中で入れたり入れなかったりとバラバラになるのを避けることです。文体は揃えておきましょう。

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